日本夜景遺産「岳南電車・夜景電車」に乗ってノスタルジックな鉄道夜景を満喫
JR吉原駅の横にこぢんまりと佇む“岳南電車吉原駅”は昭和24年から走行する歴史ある鉄道。全駅から富士山を見ることができ、第10回の日本夜景遺産認定では電車から見える昔懐かしい車窓の夜の風景で“日本夜景遺産”に認定。今回は吉原駅から岳南江尾駅を繋ぐ約9.2kmの鉄道夜景トリップでドキドキワクワクの景色を楽しみます。
ありのままの姿を楽しむ日本初の“鉄道夜景”
出発は吉原駅。月に数回土曜(HP参照)に開催される夜景電車は通常ダイヤを使用しているので予約なしでも気軽に乗車できるのがいいところ。
夜景観光士・鉄道夜景ナビゲーターでもある、本多功典さんのガイドとともに後方車両がライトダウンされると車内も一気に夜景モードに突入していきます。
雨が吹き込まない限りは窓全開で走行するので、大人も子どももひざ立ちの状態に。こんなことが許されるのも夜景電車ならではですね。
高くそびえる煙突やライトアップされたタンクやパイプの間近を走るダイナミックな工場夜景は必見。
そして、コーヒー工場から漂う焙煎の香り、街や住宅の景色など、普段とはまた違った夜景を五感で感じられ、懐かしい駅舎や夜の鉄道風景、街の灯りなど、話を聞いたり、写真を撮ったり。決して華美ではないけれど、素朴で温かな景色が車窓を流れ、工場夜景とノスタルジックな景色を共に楽しめるのが魅力です。
ガイドは夜景観光士の資格を持つ乗務員が交代で行い、各担当者が思い思いの内容でナビゲートするので毎回違った角度から楽しむことができ、車内には夜景電車をサポートする“フジパク(富士山博覧会実行委員会)”のスタッフも同乗。工場夜景のビューポイントや撮影のアドバイス、駅の歴史など各ポイントの説明も丁寧にしてくれます。
折り返しの岳南江尾駅で一度下車し撮影タイム。長い間ホームを照らし続けている電灯がやさしく辺りを包み込みノスタルジックな雰囲気。ここでは列車“かぐや富士”とのツイン撮影もぜひ押さえたいですね。駅の入り口には竹灯籠も。
2便乗車でゆっくり夜景鑑賞を
毎回1便、2便と2回開催する夜景電車ですが、乗車するなら2便がおすすめ。2便では岳南江尾駅での滞在時間も長く、乗車後にはアフターツアーも開催され、ホームの地下を歩いたり、避難タワーから望む駅舎夜景も楽しめます。また沿線の対象宿泊施設利用時に1日フリー乗車券を提示すれば、各種特典やサービスも受けられるそうです。
本格始動から5年を迎える夜景電車ですが、車内消灯や安全面などさまざまな条件をクリアするため試行から10年以上かかっているそう。口コミ客やリピーターも多く全国各地から訪れる乗客に自信を持って鉄道夜景をアピールしていけるよう乗務員も積極的に夜景観光士の資格取得に取り組んでいます。
ガイドサポーターとして同乗する鈴木秀実さん(右)、國分義久さん(左)をはじめ、フジパクスタッフの方達もみなさんガイドボランティアということで、並々ならぬ郷土愛と岳電愛にあふれていました。
夜でも富士山の輪郭を望めるブラック富士、冬の満月の夜には雪に反射する富士山も。雨の日には光の乱反射によって見える夜景もまた変わるので、晴天でも雨天でも楽しめるそうです。
4月、5月には夜景電車と夜景散策を楽しめるツアー型イベント“鉄道&工場 W夜景をW撮り”の開催(HP参照)や、日本初光るフリー乗車券・第2弾720円も販売予定(3/14〜・1000枚限定)。ぜひ1泊で沿線の名所やカフェを巡りながら、夜景電車の旅を楽しんでみては。
岳南電車
富士市今泉1-17-39
本社0545-53-5111