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五感で楽しむ絶景スポット「柿田川公園」の魅力

 

三島市と沼津市の間に位置する清水町。町の中央を横断する国道1号には多くの車が行き交い、道沿いには大型ショッピングモールや飲食店が立ち並びにぎわっています。そんな立地でありながら、喧騒から解き放たれる癒しのスポットがあります。それが日本有数の美しい水が湧き出す「柿田川公園」。今回はその魅力を掘り下げるべく、観光ボランティアガイドの方に解説していただきながらじっくり散策してみました。

 

 

まず、足を運んだのは、伊豆石で作られた蔵をリノベーションした観光案内所「わくら柿田川」。ここには、第1・第3土曜日の10:00~12:00、第2・第4月曜日の10:00~12:00にボランティアガイドの方が待機しており、公園内を案内してくれます。

 

 

施設の中では、「幸せの水みくじ」(300円/1枚)を購入できます。何に使うかはあとでのお楽しみ。

 

 

「『わくら柿田川』の石造りの建物は大正時代に製紙工場があった頃に建てられたものです。もっと昔の戦国時代には、北条氏が築いた泉頭城(いずみがしらじょう)というお城がありました。今でもお濠の跡が残っていますよ」

早速、意外な情報を教えてくれたのは、観光ボランティアガイド歴10年になる村上栄さん。歴史に思いを馳せながら、柿田川の最上流部の第一展望台に向かいます。

 

 

目の前に広がっていたのは、遠くまで続く豊かなせせらぎ。手前に視線を落とすと、そこかしこの水底から砂と一緒にこんこんと水が湧き出している“湧き間”の様子が観察できます。

柿田川は、「21世紀に残したい日本の自然百選」や「名水百選」、「国指定天然記念物」に選ばれ、四万十川・長良川と並び、日本三大清流のひとつにも数えられるなど、日本有数の希少な自然を残す場所。一年を通して富士山周辺に降った雨や雪が国道1号の崖下から忽然と湧き出しており、1日に約110万トンという日本一の湧水量を誇ります。長い時間をかけて磨かれた清らかな水は、周辺地域の飲料水や工業用水として使われており、貴重な水源となっています。

 

 

「約1万年前に富士山が噴火した時、三島溶岩流が広範囲に流れ出し、三島市や清水町あたりまで覆い尽くしました。三島溶岩流の層は多孔質(小穴が多くある性質)になっており、富士山の雪解け水がその隙間を通り抜けて湧き出してくるのです」と村上さん。

 

 

つづいて向かったのは、柿田川公園のハイライトともいうべき第二展望台。展望台の少しせり出した場所から見下ろしてみると、そこには信じられないくらい真っ青に澄み切った “湧き間”が。

 

 

 

「ここは100年ほど前、紡績工場だった時の産業遺構なんです。周りを丸く囲って取水口にしていたんですね。直径5メートル、深さは3メートルあります。私が子供の頃はまだ工場の跡が残っていましたが、その後、自然環境の保全活動が進み、昭和61年に公園として開園したんですよ」

“湧き間”の色は光の当たり具合によってさまざまに変化するそう。その不思議なくらい鮮やかなブルー、そして砂を巻き上げて底から湧き上がり、囲いからあふれ出す湧水の様を眺めているうちに、気づけば時間を忘れてしまっています。

 

 

「柿田川公園」にはもうひとつの楽しみが。それが「水みくじ」です。実は柿田川公園の中には、水を司る神様を祀った神社で縁結びのご利益があることで知られる貴船神社があります。

 

 

公園内にある貴船神社。京都の貴船神社の分社として建てられました。祠のそばにはハート形のみくじ掛けが。

 

 

最初に「わくら柿田川」で引いた「水みくじ」を境内にある御神水にそっと浸します。するとうっすらと文字が浮かび上がってきます。結果は末吉。恋愛や結婚など、書かれた運勢を頭に入れたらみくじ掛けに結んでおきましょう。

 

 

その後、湧き水に触れることができる「湧水広場」や2つの井戸から水が湧き出す通称「舟付場」、ゆったりと流れる柿田川の様子を見ることができる「木製八つ橋」を通り、「わくら柿田川」に戻ります。

 

 

「『舟付場』には秋になるとたくさんのアユの群れが産卵のために遡上するんですよ」と村上さん。

 

 

「木製八つ橋」から眺められる柿田川の豊かな流れ。この豊富な水がすべて湧き水なのですから圧巻です。絶滅危惧種のミシマバイカモの花も綺麗に咲いていました。

 

 

散策も終わり、ほっと一息つくために訪ねたのが、園内にある「柿田川豆腐館」。ここでは柿田川の綺麗な湧水を使った豆腐を販売しています。しかし、一番のお目当は、「とうふアイス」。その名の通り、豆腐を使ったアイスクリームです。

 

 

ひと口食べると、すっきりした甘さとともにほのかな豆腐の香りが口の中に広がります。これは美味。豆腐が40%も含まれており、豆腐好きにはたまらない逸品です。

 

 

鮮やかな柿田川ブルーを眺め、川のせせらぎを聞き、湧水に手に触れて、木々の香りを嗅ぐ。そして、最後に「とうふアイス」を味わえば、五感はもう大満足。町中にあって気軽に行ける身近なお出かけスポット、柿田川公園。心と体を癒しに訪ねてみませんか?

 

柿田川公園

静岡県駿東郡清水町伏見71-7

055-981-8224(清水町都市計画課)

 

 

清水町観光案内所「わくら柿田川」

静岡県駿東郡清水町伏見86

055-975-7155

9:00~16:00

無休

http://www.kakitagawa-kanko.jp/sightseeing/kakitagawa/

 

 

柿田川豆腐館

静岡県駿東郡清水町伏見86

055-975-0400

9:00~17:00

無休

http://www.kakitagawa.net/