熱海のガラス工房で吹きガラスに挑戦!
観光スポットを巡るだけでなく、新しい体験にチャレンジできるのも旅の魅力。良質な温泉や豊かな自然、さまざまな見どころに恵まれた観光地・熱海にも、いま密かに人気を集めている意外な体験スポットがあります。
熱海駅から車で5分ほどの伊豆山エリアにある「studio iiro(スタジオイイロ)」は、吹きガラス体験ができるガラス工房。熱海の市街地からは外れた場所ですが、いつも体験に訪れた人たちでにぎわっています。
湯河原町につづく国道135号沿いにある「studio iiro」。近くに3台分の駐車場があります。
「studio iiro」はオープンして6年目。オーナーの大東健太さんは、大阪芸術大学のガラス工芸コースを卒業した後、修行を積み、2015年に独立すべく伊豆山に自らのアトリエ兼体験工房を構えました。
「山あり、海あり、温泉ありと自然の豊かな環境の中でものづくりをしたかったんです。百貨店の催事などで、東京や大阪、名古屋などの都市に行くことが多いのですが、新幹線を使って楽にアクセスできるのも熱海を選んだ理由です。それに、人気の観光地なので多くのお客さんに足を運んでいただけます」と大東さん。
アトリエで製作に励む大東さん。眼差しは真剣そのもの。
専用の研磨機で器に模様を入れていきます。
アトリエの奥には自らが手がけた作品をディスプレイしたスペースが。予約をして訪ねれば作品を購入することもできるそうです。
ガラスに銀箔を貼り、化学変化を起こさせることで、内側を鮮やかな金色に仕上げた器。
こちらはガラス棒を並べ、加熱して板状にくっつけたうえで成型するという手の込んだ技法で作られた一輪挿し。どの作品もガラスならではの素材の美しさが際立っています。
「僕の作品の特徴は、色使いと表面のテクスチャ(質感や手触り)です。ひと目見たときに、素直に“キレイ・カワイイ・ステキ”と感じてもらえるようなものを作っていきたいですね」
素敵な作品を見せてもらったところで、早速、吹きガラス体験にチャレンジ!
スタッフのみなさんが丁寧に教えてくれるので、初めての人でも安心して体験できます。体験料は一人3500円(税別)で所要時間は30分程度。2〜3人のグループの場合は1時間ほどかかります。
まずはグラスの柄になる色ガラスを選択。自分の好みの色を選びます。色を組み合わせることも可能です。
1100℃の炉で真っ赤に溶かしたガラスを“吹き竿”という道具の先に巻きつけます。その周りに色ガラスをくっつけ、さらに加熱することでなじませます。
柔らかく溶けたガラスに息を吹き込んで膨らませます。意外に強めに吹かないと膨らみません
膨らんできたところで、吹き竿を台で回転させながら形を整えます。気を抜くとぐにゃっと形が崩れてしまうので要注意!
同じ作業を何度か繰り返したら、今度は濡れた木の板を押し当ててグラスの底を作ります。
つづいて、大きなピンセットのような道具を使ってグラスの口の部分を広げていきます。吹き竿を回しながら、微妙な力を加えるのはなかなか難しい作業!
ここまで来るとほぼ完成。吹き竿から外し、丸一日じっくり冷やすことで、歪みのない割れにくいグラスが出来上がります。完成品は翌日取りに来ることもできますし、郵送も可能です。
そして、完成したグラスがこちら! 白と赤のガラスがまるで花びらのような模様に。ちょっとゆがんでいるけど、自分で色を選び、手を動かして作っただけに愛着もひとしおです。
「柔らかく溶けた1000℃のガラスを扱うなんて、普段はできない経験です。その圧倒的な非日常感が、吹きガラス体験の一番の魅力です。また、ただガラスを吹いてみるだけでなく、ほぼすべての工程を体験してもらえるのも、うちならではの特色です」と大東さん。
みなさんも是非、熱海を訪ねて、世界にひとつの自分だけのグラスを作ってみてはいかがでしょうか?
(店舗情報)
studio iiro
静岡県熱海市伊豆山579-41
0557-88-1160
10:00~18:00
不定休