“王将戦”の勝負メシで大フィーバー!将棋の聖地「掛川」を巡る旅
毎年、多くの将棋ファンが、「今回はどうなるのだろう……」と胸を高鳴らせる、将棋8大タイトル戦の一つ“王将戦”。
2022年の対局は、渡辺明王将vs藤井聡太竜王(2022年1月9日時点のタイトル)。注目の棋士同士の対戦とあって、「これぞ真の頂上決戦!」と注目を集めました。
今回はそんな、名勝負の舞台「掛川」にフォーカス。対局が行われた「掛川城 二の丸茶室」から、対局者のお二人が泊まったホテルのスイートルーム、対局中に出されたおやつ&昼食までたっぷりご紹介します。
将棋ファンはもちろん、いつもと違う旅を楽しむのにぴったり。ディープな魅力あふれる「掛川」の旅をお届けしましょう!
※記事内の棋士のタイトルはいずれも対局初日の2022年1月9日時点のものです。
「掛川」を巡る旅は、JR掛川駅から徒歩7分の「掛川城」からスタート。
「掛川城」は、戦国武将・山内一豊が治めたお城。小高い山の上に天守があり、軒先の一部を丸く持ち上げた「唐破風(からはふ)」や入口に「付櫓(つけやぐら)」をつけた複合式天守で、小さいけれど複雑に見える工夫がいっぱい。遠くから見てもその姿は凛々しく、今も歴史の息吹を感じられます。
しかもこの「掛川城」、日本で最初に“木造復元”された、「木造復元天守」。城好きなら一度は訪ねて欲しい、東海一の名城と言われたお城です。
※天守は令和4年6月1日~令和5年1月末の期間は改修工事のため入場できません。御殿のみ開館します。
そして、「掛川城」といえば、「御朱印」ならぬ「御城印」が人気を集めているのをご存知でしょうか?
2022 年 1 月 9 日の王将戦初日には、「御城印」が王将戦バージョンに!これは、将棋の駒をモチーフにしたプレミアムデザイン。
しかも渡辺王将と藤井竜王、お二人の名前入りで、限定 1000 枚のみ販売されました。
将棋ファンなら必ず手に入れたい 1 枚ですが、なんと開局日から 4 日目で完売……。
次に向かったのは、天守閣北側に位置する「掛川城・二の丸茶室」です。
最初に現れる部屋「寄付(よりつき)」に来たら、壁に飾られている「志向」と「飛翔」という言葉に注目してください。こちらは「揮毫(きごう)」と呼ばれる、いわゆるサインのようなもの。
「志向」は渡辺王将が書かれた「揮毫」。そして、「飛翔」は挑戦者となる藤井竜王による「揮毫」です。
気持ちを込めて書かれた「揮毫」は、お二人のスタンスや持ち味がぎゅっと詰まっています。将棋ファンの方は、ぜひお見逃しなく。
揮毫とは:毛筆で言葉を書くこと。書く言葉は棋士によって様々。
(出典:マイナビ「将棋情報局」)
そして、王将戦が行われた夢の舞台が、こちら!
まさにこの場所で、“将棋界の頂上決戦”が行われました。
部屋の中央に渡辺王将と藤井竜王が座っていたのだとか。
少し空いた窓から聞こえる、鳥のさえずり。さわさわと音を立てる草木。外に見える本格的な日本庭園は、静寂に満ちた癒しの空間です。
渡辺王将にとってここは、過去6回の対局ですべて全勝した相性の良い場所。渡辺王将もここで、次の一手を考えていたと思うと、ワクワクしますよね!
一方、掛川城での対局が初めてとなる藤井竜王。王将戦では、床の間を背に王将が座るしきたりがあるため、挑戦者となる藤井竜王は、お庭を背にしていたことになります。
そこで、藤井竜王の目線になろうと、クルッと向きを変えてみました。
床の間には季節のしつらえが。花入れには春を感じさせる梅の花が飾られています。こちら側も、和の情緒あふれるステキな空間!
さて、お茶室では510円(税込)を支払うと、手入れの行き届いたお庭を愛でながらの一服が楽しめます。
お茶は、掛川産のお抹茶、または煎茶の先生が担当の日は煎茶をお出ししています。季節感を閉じ込めた和菓子は、目でも舌でも楽しめる地元の銘菓です。
この日のお茶は、掛川抹茶。さすがお茶の産地だけあって、深いコクと香りが印象的!癒やし効果たっぷりです。
外に出れば、無料でお庭の散策を楽しめます。
早春はしだれ梅が咲き、秋になると木々が色づきます。季節ごとに違った景色を楽しめます。
さらなる将棋の聖地を求めて、訪れたのは「掛川城」から車で5分の「掛川グランドホテル」です。
創業は1989年。掛川駅前にあり、ビジネスや観光に何かと便利な格調高い老舗ホテルです。
なぜここが注目されているのかというと……
王将戦で、渡辺王将と藤井竜王が泊まったから!
お二人は、ホテル上層階のスイートルームに泊まられたそうです。
というわけで、スイートルームへ、いざ潜入……!!
扉を開けると、まずは陽ざしがたっぷり入るリビングスペースがお目見え。2方向からの眺望が楽しめます。
ガラス窓が広い廊下は、絶景を楽しむための特等席。歩いているだけで、非日常の景色が楽しめます。
廊下の先には、インテリア雑誌に出てきそうな気品あふれるベッドルーム。
一般的なダブルベッドよりも広い、幅180cmのキングサイズのダブルベッドが置かれています。
ベッドには、なんと枕が4個も!
それだけではありません。スイートルームには、広々とした和室もあります。
和室には、大型スクリーンとプロジェクターを完備。ホテルの一室が映画館になる“シアター体験”ができるなど、心配りが秀逸です。
ちなみに、「憧れの棋士が寝泊まりした部屋で将棋を打てば、強くなるかも!」とのことで、将棋ファンはこの部屋に泊まる際、愛用の将棋盤を持ち込んで将棋を楽しむそうです。
和室からの眺望も最高!もしかしたら、渡辺王将や藤井竜王もこの景色を見ながら、作戦を練ったかもしれませんね。
総支配人の上田さんによると、王将戦でのフィーバーぶりは凄まじかったのだとか。
「スター騎士同士の大熱戦とあって、全国からたくさんのファンがいらっしゃいました。ファンが入ってこないように、ロビーにロープパーテーションを使ったのも、初めてのことです。」
さすが注目の高かった“掛川の陣”ですね!
さらに、「掛川グランドホテル」で注目を集めたのが、対局中に出された勝負メシ!
「しあわせのたまごオムライス」は、王将戦の昼食で両棋士に選ばれたメニューの一つ。掛川産の卵を6個も使った、ホテルでも人気の一品です。
コクのあるデミグラスソースは、6時間かけて煮込んでいるそうです。つややかなフォルムの卵にナイフを入れれば、とろ~っと卵がとろけ出し、デミグラスソースが合わさることで、さらなるふくよかな味へと広がっていきます。
2022年3月時点では「しあわせのたまごオムライス」は、テイクアウトのみで提供 1000円(税込)。
一度食べたらやみつきになる、ふわとろの幸せをおうちで味わってみてください!
もうひとつ。忘れてならないのが、王将戦で選ばれたおやつの一つ「CHABATAKE ケーキ」です。
こちらは、JAとコラボで考案した掛川産のお茶をふんだんに使用した、グリーンが映えるスイーツ。少しほろ苦なお茶と、掛川産のかんきつ果実・不知火(しらぬい)のコンフィチュールのバランスが絶妙。一番下に敷かれた薄いビターチョコが、名脇役として全体をうまくまとめています。茶畑のうねを再現した、ダックワーズにも目を惹かれます。
「CHABATAKE ケーキ」はすべて手作り。1回に焼ける本数が限られるため、2022年3月時点ではなんと1ヶ月待ちなのだとか!
コンフィチュールとは:主に果物をシロップや香辛料などと一緒に煮詰めて作る食べ物。
ダックワーズとは:フランス発祥のアーモンド風味のメレンゲを使った焼き菓子。
お菓子とシックな保冷バッグ付きのセット2000円(税込)だと、プチギフトにもぴったりですね。
この大人気スイーツを考案したのは、フラワーケーキマスターの資格を持つパティシエの宮川智子さん。
「ウキウキするような、かわいいスイーツを作るのが大好きなんです!」キラキラの笑顔でそう語る宮川さん。
「CHABATAKE ケーキ」は、宮川さんの情熱が伝わるようなスペシャルなお菓子。手元に届くまで少し時間はかかるものの、お取り寄せしてから家に届くまで、「そろそろかな?」というワクワク感を味えます!
渡辺王将と藤井竜王が泊まったエグゼクティブフロアには、最上級のおもてなしが受けられるラウンジを併設。
チェックインから夜8時まで、生ビール、ワイン、ウイスキー、焼酎などがすべて無料で飲み放題です。
絶景とお酒に加えて、窓からは、国内でも数路線しかないディーゼル機関車や黄色い新幹線「ドクターイエロー」が見えることも!鉄道ファンも大満足の唯一無二のひとときを過ごせます。
※未成年の方の飲酒は、法律で禁じられています。ご注意ください。
ステキな旅に欠かせない魅力的な要素が詰まった、掛川の巡礼旅。
いつもとはひと味違った旅がしたい方は、ぜひ足を運んでみてください!
(施設情報)
掛川城
〒436-0079 静岡県掛川市掛川1138-24
TEL:0537-22-1146
掛川グランドホテル
〒436-0028 静岡県掛川市亀の甲1-3-1
TEL:0537-23-3333