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静岡・伊豆半島の個性派書店3選:本と人がつながる新しい場所

風光明媚な景色とあちらこちらから豊富に湧き出す温泉を目当てに多くの観光客が訪れる伊豆半島。観光スポットを巡るのもいいですが、ぜひ足を運んで欲しいのが書店です。

近年、伊豆半島には次々に個性的な書店がオープンしており、地元の人たちに親しまれているのはもちろん、わざわざ遠方から訪れる人もいる密かな人気スポットになっています。そこで今回は、伊豆に新しくできた注目の本屋を3軒ピックアップしてご紹介します。

 

 

【RIVER BOOKS(沼津市)】

1軒目は、伊豆半島の付け根の西側にある沼津市に2023年9月にオープンした『RIVER BOOKS(リバーブックス)』。築70年の古民家を改装した小さな書店で、店内には店主の江本典隆さんがセレクトした新刊が並んでおり、ギャラリースペースも併設されています。

 

 

江本さんは沼津市出身。東京の出版社に勤務した後、約20年ぶりに故郷に戻り『RIVER BOOKS』を開業しました。

 

 

「市内の空き店舗を活用した事業を考えるコンペティションに応募し、最優秀賞を受賞したことがきっかけで書店をオープンしました。現在は出版社に勤めていた時に培った知識と経験を生かして営業しています。本好きからそうでない人まで幅広い人に本を手に取ってほしいので、あえてジャンルを広げてセレクトしています。その一方で、アート関連の本は私の趣味を全面に押し出しており、自費出版本などマニアックなアートブックも揃っています」(江本さん)

 

 

書店でありながら、店先で沼津市産のクラフトビール(税込450円〜)と富士市産のほうじ茶(税込450円)が飲めるのも『RIVER BOOKS』のユニークなところ。

 

 

「ただ本を売るだけでなく、地域の魅力を発信する観光案内所のような場所にしたかったんです。飲み物をテイクアウトするだけでもいいですし、不定期で開催している18時から24時の深夜営業の日にお酒を飲みながらゆっくり本を選んでもらうのもいい。色んな楽しみ方をしてほしいですね」(江本さん)

 

 

江本さんおすすめの本は、『生活フォーエバー(寺井奈緒美、EVISU PRESS)』と『最小文化複合施設(宮崎晃吉/顧彬彬、真鶴出版)』。『生活フォーエバー』は土人形作家の著者が日常の何気ない出来事について綴ったエッセイと短歌を収録しています。『最小文化複合施設』は、カフェやギャラリー、宿泊施設など多岐にわたる活動を行ってきた谷中の木造アパート「HAGISO」の10年の歴史を記録した本です。

 

 

 

【new summer books(伊東市)】

続いてご紹介するのは伊豆半島の東側、伊豆高原にある『new summer books(ニューサマーブックス)』。コロナ禍を機に東京から伊東市に移住した元グラフィックデザイナーの亀井雅美さんが2023年にオープンしました。人文系の古書を中心に、伊豆に縁のある作家の新刊なども取り揃えています。

 

 

「大室山や一碧湖、城ヶ崎海岸など、豊かな自然に惹かれて移住しました。お客さんは地元の方が多いですが、最近は観光の方や別荘に長期滞在している方も増えてきました。ギターの演奏とともに詩の朗読を楽しめる『夕暮茶会』や本の交換会などのイベントを開催するなど、地域の人との繋がりも大切にしています」(亀井さん)

 

 

亀井さんは鉱物を集めるのが趣味で、コレクションの一部を店内で販売しています。

 

 

亀井さんのおすすめの本は、伊豆半島在住の作家、青目海さんがポルトガルに滞在していた日々のことを綴った『南ポルトガルの笑う犬―アルファローバの木の下で(青目海、書肆侃侃房)』と、大好きな宮沢賢治の詩集『春と修羅(塩川いづみ/宮沢賢治、torch press)』にイラストレーターの塩川いづみがドローイングを添えた詩画集です。

 

 

 

【TORCH(南伊豆町)】

最後は、伊豆半島の南端に近い南伊豆町に店を構える『TORCH(トーチ)』です。店主は、東京でIT企業に勤めた後、知人の紹介で訪れた南伊豆町を気に入って移住しました。地域の人たちがゆっくり過ごせる店を作りたいと思い、2024年2月にオープンしました。

 

 

友人の建築士にデザインしてもらったという個性的な書棚の大部分を占めるのは新刊で、ほかにも絶版になった古書なども置かれています。おすすめの本を聞かれることが多いので、ちゃんと自分が読んでいて内容を説明できる本を置くようにしているのだとか。

 

 

店内では、書籍のほかにも南伊豆の陶芸家が作った器やオリジナルのハーブティーなども販売されており、本が目的でなくても楽しめる店になっています。

 

 

店主がおすすめする本は、南伊豆の山中のアトリエ兼ギャラリーで創作活動を続ける画家の絵本『ジマンネの木 ~ナルムの章(くぼやまさとる、小鹿社)』と、屋台実践者へのインタビューを通して働き方や社会を考える『日本のまちで屋台が踊る(中村睦美/今村謙人/又吉重太、屋台本出版)』です。

 

 

 

ご紹介した3軒は、どれもユニークなコンセプトで従来の書店とは一線を画す新しい楽しみ方ができるお店になっています。絶景や温泉を楽しみつつ、こうした書店を訪ねて新しい刺激をもらってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

【施設情報】

・RIVER BOOKS (リバーブックス)

営業時間:月、水〜金  14:00〜20:30

土 13:00〜21:00

日 13:00〜18:00

定休日:火

住所:沼津市下本町34

Instagram:https://www.instagram.com/riverbooks_numazu/

 

 

・new summer books(ニューサマーブックス)

営業時間:11時〜17時

定休日:日・月
住所:伊東市八幡野1298-36

Instagram:https://www.instagram.com/newsummerbooks/

 

 

・TORCH(トーチ)

営業時間:12:00~18:30

定休日:火・水

住所:南伊豆町下賀茂839-4

Instagram:https://www.instagram.com/torch.minamiizu/