Loading...

本文へ移動
お魚カテゴリー画像

ふじのくにパスポート

記事

働く若者紹介

「静岡発」の製品を世界へ

 

○松下 廉さん

静岡県静岡市出身。同市在住。工学院大学(東京)を卒業後、2019年に日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社へ入社。静岡市の清水事業所に勤務。現在、ビル用マルチエアコンの開発などを行うVRF開発部に所属。

 

○日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社

株式会社日立製作所亀有工場清水分工場として1943年に創立。2015年に米・ジョンソンコントロールズ社との合弁会社「日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社」が設立され、同社清水事業所が発足した。総合空調機器メーカーとして、グローバルな日立空調製品の設計開発・製造・販売を行っている。同事業所は業務用空調製品の開発や製造、また産業用空調製品の製造を担っている。

 

 

 

「実家の近所の会社」は、夢を叶えられる場だった

「数学や物理が大好きで、中学生くらいから機械系で働きたいと思っていた」という松下さん。情熱そのままに、工学系の大学へ。「せっかく働くなら、自分が携わる製品がどれだけ広い規模で売られるかが大事」。就職活動を始めた当初は、世界を相手にできる企業は東京にしかないと思っていた。しかし、調べるうちに、地方には先端技術を持つ工場も多く、地方にいてもグローバルな視点で仕事ができることに気がついた。

 

 

地元・静岡に戻ることを視野に入れた時、真っ先に思い出したのが今いる会社だ。実は、子供の頃の松下さんにとっては「親類が働いている会社」。松下さんの実家と会社がとても近く、毎年春に近隣住民に向けて開催される「日立まつり」にも何度か足を運んでいて親近感があった。大学四年になり、改めて「働く場」として会社を訪れ、魅力を再発見。「国内外に製品の利用者がいて、業界をリードしていこうという気概が感じられる。技術者としての一歩を踏み出すのに十分な場所」。松下さんの挑戦が始まった。

 

 

 

常に「海外」を意識して取り組む

約27万平方メートルもある広大な敷地に、毎朝、自転車を漕いで通勤する。全世界で約15,000人が働く大きな会社の一員だと実感する。フロアに上がれば、設計者としての1日が始まる。担当しているのは、業務用のマルチエアコンの開発。パソコン上で設計を行ったり、試作品を作る現場へ出向いて確認したりする。

入社してすぐ、海外ユーザーに向けた製品を目にした松下さん。静岡から、日本はもちろん海外にも製品が出ていく。「海外の文化や価値観も取り入れないといけない」と、自身の価値観にも変化が生まれてきた。技術面はもちろんだが、語学力や海外への理解という点でも成長できているという。やりがいを感じる一方で、「責任も重い」と話す。入社一年目でも複数の図面を担当しており、自分の作業が遅れれば、会社全体に迷惑がかかる。行き詰まった時には、年齢の壁を超え、気軽に話しかけてくれる上司や同僚のサポートが頼りだ。先輩たちの言葉に、日々感銘を受け、刺激をもらっている。

 

 

 

近くにいる家族や友人が心の支え

働き始めて実感するのは、静岡の住みやすさ。都内にいた頃は満員電車に疲れながらの通学だったが、今はそうしたストレスから解放された。ほとんど雪の降らない温暖な気候は過ごしやすい。実家暮らしの良さも感じている。社会人になって慣れない環境に身を置く中で、落ち込むこともある。そんな時、家族や友人が何よりの支え。「へこんでも、両親や姉に話を聞いてもらえて、気持ちが楽になりますね。地元の友人も多いので、色々な話を聞くことができて気分転換になっている」。

近頃の楽しみは、静岡に戻ってから購入した愛車でのドライブ。「東京では乗らなかったけど、静岡では車があると楽しい」。会社の福利厚生が充実しており、休みに会社の補助で温泉旅行に行くこともある。趣味のテニスに打ち込んだり、静岡ライフを満喫している。

 

 

「静岡にいながら、世界を相手に仕事ができる」とUターン就職で選んだこの職場。「自分も業界トップシェアを狙えるような製品を作っていきたい」。ニコニコと話すその姿が眩しかった。