生粋の静岡人。チャレンジは静岡で始めると決めた
○明田 昌鷹さん
藤枝市出身、静岡市在住。県内の大学在学中から複数の飲食店を経て、株式会社こころ
に入社。エリアマネージャー、居酒屋ダイニング「てんくう」静岡紺屋町店店長、商品開発部てんくう業態マネージャーの3つの仕事を担当している。
株式会社こころ
○浜松市に本社を置き、IT×居酒屋を掲げ、ITと居酒屋を複合した新しい業態を静岡県中心に展開。居酒屋ダイニング「てんくう」、デリバリーサービス「ここデリ」などを運営。
◆商品開発と店舗営業をこなす
「やりがいのある仕事をさせていただいています」
そう話すのは、藤枝市出身の明田昌鷹さん。明田さんは、浜松市に本社を置く株式会社こころの運営する居酒屋「てんくう」のエリアマネージャー、商品開発、てんくう静岡紺屋町店店長の3つの肩書を背負い働いている。現在、店舗の運営を任せられながら、静岡県と愛知県にある9店舗すべてのメニューを一人で開発しているから驚きだ。
「味付け、作りやすさ、見た目、提供時間を総合的に吟味しながら、メニュー開発をしています。最近開発した料理は、宴会メニュー。原材料の価格を調べたり、仕入れ業者さんと連絡を取ったり、仕入れ価格の調整をしたり。もちろん大変なところはあるのですが、やりがいを感じています。」
こうした商品開発の仕事と同時並行で、店長として店舗に立ち、接客や料理まですべてを行う。あわせて、藤枝から清水までの4店舗をエリアマネージャーとして管理している。
一人で商品開発を行い、店舗の運営から管理まで関わる。ただ、明田さんのように、3つの肩書を背負い働くのは極めてレアケースということだ。
「商品開発と店舗の営業は、それぞれに担当を置くのが一般的です。開発部がメニューを考え、店舗がお客様にサービスを提供する。実は、弊社も元々はそのスタイルで、私も最初から両立していたわけではありません。しかし、商品開発もできて、店舗の営業も理解できていれば、相乗効果も期待できます。会社の中でも珍しい立ち位置で仕事をさせていただいています」
◆静岡でキャリアを積む
こころの中でも、非常に珍しい立ち位置ということだが、それを可能にしているのは、明田さんのキャリアにある。
藤枝市で生まれ育ち、中学、高校を卒業後、県内の大学に進学。在学中にアルバイトとして居酒屋で働き始めた明田さん、実家が居酒屋を経営していたこともあり、飲食の仕事に就くのは自然なことだった。
「大学の途中から洋食のレストランで働き始めました。21歳のときです。そのときの経験が、今の商品開発の仕事をするきっかけになっています」
飲食の仕事が非常に身近な環境で育った明田さん。しかし、静岡の外で働くことは考えなかったのだろうか?
「もちろん、東京の飲食店で働くことを考えた時期もありました。しかし、東京は飲食店の競争も激しく、入れ替わりが激しい。住む上でも家賃や生活費が静岡と比べると高い。こうした事情もあり、まずは静岡でチャレンジすることにしました。もし、こころが東京に出店するなら、そのときはチャレンジしてみたいとは思いますが、まずは静岡で実績を出したいと思っています」
こうした理由に付け加え、東京に近いことも静岡で働く理由だと言います。
「静岡県は全国的に見ても立地がいい場所だと感じています。たとえば、静岡市から名古屋までは新幹線で1時間、東京にも1時間ちょっとで行けるなど、立地に恵まれています。東京に視察に行きたいと思ったら、すぐに行ける場所なのです。また、名古屋や東京にすぐに行けるので、休日に買い物に行くこともあります。暮らしや仕事は静岡を拠点にして、ときどき周辺の都市に行く。静岡は住みやすい場所だと思います」
◆ダーツや飲みの席でリフレッシュ
3つの肩書を持ち、仕事に全力投球しながらも、息抜きは大切。一番のリフレッシュは、「飲みに行くこと」。
「店舗の営業が終わったら、スタッフとよく飲みに行きます。仕事場では直接言えないことも飲みの席では言えたり、さまざまな飲食店を訪れることで知識も深められたりします。また、飲食の仕事をしていると、仕事が夜までになることが多くて出かけるなら選択肢があまりありません。飲みに行く以外の選択肢として、ダーツによく行きます」
静岡市中心部には、街を彩るかのようにさまざまなお店が溢れている。きっと飲む場所に困ることはないだろう。仕事を離れてもなお、飲食が好きという気持ちが溢れている明田さん。お客様に喜んでいただくために、新しいチャレンジを静岡で積み重ねていくことだろう。