Loading...

本文へ移動
お魚カテゴリー画像

ふじのくにパスポート

記事

働く若者紹介

暖かい人と豊かな自然に恵まれた静岡県で教鞭を執る

○杉本隼さん

浜松市出身。県外の大学を卒業後、静岡県教員採用試験を受け、県職員として静岡県立駿河総合高等学校に赴任。現在は3年生の担任と、和太鼓部の顧問を務める。

 

○静岡県立駿河総合高等学校

静岡市駿河区にある総合高等学校。2013年に静岡県立静岡南高等学校と静岡市立商業高等学校が合併して開校された。人文社会系列、自然科学系列、ビジネス総合系列、デザイン系列、生活文化系列、ものづくり総合系列の6つの総合学科を設置している。

 

 

物理学を通して考えることの面白さを伝えたい

 

「物理学は果てしなく大きな宇宙から目に見えない小さな素粒子まで、世の中のありとあらゆるものを扱います。それらの物理現象を説明する答えはひとつですが、そこに至るまでには様々な考え方があるのが物理学の魅力です。生徒たちには授業を通して、なぜそうなっているのか考えることの面白さを伝えたいと思っています」

そう語るのは、静岡県立駿河総合高等学校で教鞭を執る杉本隼先生。静岡県の教員採用試験に合格し、新卒で赴任して今年で6年目。現在は3年生の担任を務めています。

「3年生の担任は授業以外にもやるべきことがたくさんあります。進学希望者の推薦書や調査書を書いたり、就職希望者のために求人票を確認したり企業説明会に参加したり、他にも放課後に補講を行うなど、めまぐるしく一日が過ぎていきます。そんな毎日ですが、教員になってから現在まで、充実した日々を送っています」

 

杉本先生が教員を目指すようになったのは記憶にないくらい昔のことだといいます。そのような中、教員の中でも高校の教員を選んだのは、大人になる前の分岐点にいる生徒たちをサポートしたかったから。

「生徒たちはそれぞれに個性がありますし、自分自身の考え方を持っています。ですので、私の考えを一方的に押し付けることはしません。授業でも生活指導でも、“私はこう思うけど、君はどう思う?”と問いかけて生徒の考えをできるだけ引き出すようにしています」

 

 

赴任先の地域の魅力を味わいながら暮らしたい

 

大学進学で県外に出た杉本先生ですが、当初から静岡県にUターンして就職することを念頭に置いていたといいます。

「静岡県には暖かくておっとりした人が多いんです。学生時代に地元に帰った時もみんな優しく話しかけてくれました。働いて、暮らすならやっぱり静岡県がいいと改めて思いました」と杉本先生はその理由を語ります。

 

浜松市出身の杉本先生ですが、静岡県内であればどこに赴任することになってもよかったといいます。

「地元なのでどこもある程度の土地勘がありますから。それに、静岡県は東西南北に広く、それぞれのエリアに特色がある。どこに赴任してもその地域の魅力を味わいながら暮らしたいと思っていました。現在も富士山が見えて日本平や三保の松原もある静岡市での暮らしを思い切り満喫しています」

 

 

和太鼓部の顧問として生徒たちの活動をサポート

 

杉本先生は現在「和太鼓部」の顧問としての活動にも力を入れています。

「地元のお祭りで小さい頃から和太鼓を叩いていました。誰でも叩けそうに見えますが、ちょっとした打ち方の違いで音が変わる。シンプルだからこそ奥が深くて追求のしがいがあるんです。その面白さにとりつかれて大学でも4年間、和太鼓サークルに所属しました。現在は外部からコーチをお招きして部員の指導をしてもらっており、私自身も演奏に参加することもあります。発表会を行う会場を押さえたり、イベントの主催者と打ち合わせをしたりするのも顧問の仕事です。近年は『第5回全国高校生太鼓甲子園 富士山太鼓まつり』に和太鼓部として参加していますが、静岡県を象徴する富士山に関連したイベントに関われることにとてもやりがいを感じています」

 

休日の趣味も和太鼓だという杉本先生。自分の太鼓も持っており、一人で練習することもあれば、地域の団体の練習に参加することもあるそうです。

「太鼓を叩くのが一番のストレス発散になります。あとは、富士山のよく見える場所に遊びに行ったり、海を眺めたり、静岡県ならではの自然を堪能しています」

 

 

 

教員として生徒たちの巣立ちを見てきた杉本先生は、若者たちに伝えたいことがあるといいます。

「大人になるとできることも増えますが、逆にいろいろな制約でできないことも増えます。中学生なら中学生、高校生なら高校生にしかできないことがあると大人になった今、実感しています。私が指導している生徒たちも若者のみなさんも今しかできないことに存分にチャレンジして欲しいと思っています」